LET IT BLEED * The Rolling Stones

1. Gimmie Shelter/2. Love In Vain/3. Country Honk/4. Live With Me/5. Let It Bleed/6. Midnight Rambler/7. You Got The Silver/8. Monkey Man/9. You Can't Always Get What You Want


 世間では夏といえば「チューブ」だそうですが、我が家ではローリング・ストーンズの"Gimmie Shelter"なんですね、なぜか。あの涼しげなギターのイントロが暑い夏に良く合うんです。さあ花火大会が始まるぞーっと夕暮れの多摩川土手を歩いている時なんかに頭の中で鳴っているのは絶対にこのギターの音です。そんな訳で夏になるとこのLPを聴くために最近出番の少なくなったレコード・プレイヤーが回り始めるわけです。このLPはストーンズのアルバムの中でも「メインストリートのならず者」と並んで僕の大好きなLPなんですが、客観的にみてシングル・アルバムということもあってこちらの方が完成度が高いと思います。

 時期的にブライアン・ジョーンズの影がほんのりと残っている状態のせいかこの前後のアルバムとは少し雰囲気が違います。全体を通してとてもクールな印象があるのにA面とB面で肌触りが違う。裏と表がある「レコード」として作っているんですね、当たり前ですが。それにしてもイイ仕事してます。A面は"Gimmie Shelter"が始まるとするすると"Let It Bleed"まで流れる様に聞かせてしまう。僕にとってこの5曲はまるでメドレーのようなものです。3曲目の"Country Honk"は有名なシングル・バージョンの"Honky Tonk Woman"よりこっちの方が好きです。一方のB面がA面より黒っぽいのはブライアンの参加曲が在るからでしょうか。まず最初の"Midnight Rambler"が滅茶苦茶かっこいいんですね。曲調と題名が本当にバッチリあってます。A面の流れを自然に夜の街に引き込んで、飲みに行こうかって気分にしてくれます。ここでじっとりとした世界に落としこんで7曲目,8曲目とさらにディープに攻めてこんでおいて"You Can't Always... "で外の世界に出してくれる。おお、また"Gimmie Shelter"が聴きたくなってきた、と切りがありませんね。ちょっと違うかもしれませんが矢沢永吉の「ドアを開けろ」も似たような作りに成ってます。そう思うとエーちゃんもがんばってたなぁ。まあ、やろうと思ってもなかなか難しいと思いますがLPレコードのお手本のようなアルバムだと言えるでしょう。(1998.8.7)


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