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"ウルトラマン"

2008.1.14 年末年始は例によってバタバタとなだれ込むように過ぎ去り、正月明けからも、諸々のもろもろをモロモロとやり込めて、ほっと一息したところで、予てから気になっていた「ウルトラマン大博覧会」を見にいった。会場に入るといきなり「ウルトラQ」の例のタイトルバックが。これは40代の人ならば、泥水やコーヒーミルクを見ると必ず思い出していじりたくなる、強烈なイメージだ。そのヨコにはケムール人やペギラ達がずらりとお出迎え。どいつも此奴も自分が思ってたよりもかなりおどろオドロしいのでちょっとビックリ。更に進んで行くとウルトラマンやゴモラの首や怪鳥の足、科学特捜隊のスーツなどが陳列されているが、どれも何やら妖気が漂っていて、見ていると何故か段々、抜き足、差し足、忍び足になってくる。そして大好きなウルトラセブンのコーナーまで来ると明らかになるのが、この円谷英二が関わった60年代のウルトラシリーズは、怪奇ドラマの延長線上にある、視聴者を怖がらせる為にプロが本気で作った怪獣モノだったと言うこと。その後は全くの子供向けのシリーズに変貌するが、この「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の3作は毒虫のように怪しげで、ひっそりと咲いた徒花のごとく格調高い。黎明期であったとは言え、音楽や特殊撮影も含め、隅々まで拘った、製作者達の執着心が凄まじい。テクノロジーはチープだけれど、気合いが入った円谷作品はとにかく濃い。その濃厚な毒気に当てられて「これこそが表現だ!」と思う。試しに今BSデジタルでやってるウルトラシリーズの最新版を見てみたが、比較の対象に成りえない程幼稚な作品で、アゴが外れる位がっかりしたと同時に、進歩とは何か、真剣に考えさせられた。新しいものが良い、という時代はとっくに終わっていたのだ。会場で「サンダ対ガイラ」の予告編を見たが、ノスタルジーではなく、今まさに見たい!と思わせるものだった。結局「人」な訳です。